LLAFRANC

季節は春になったばかりだが、地中海の太陽というのは冬が終わるとさっさと夏の日射しに変わります。照りつける強い日射しである。
わっしはここに食事に来たのだが、レストランのおばちゃんと話しているうちに「とまっちゃおーかなー」と考え出した。
食事はすげーぎょえーなうまい食事であってカタロニア風タラの揚げかまぼこも完璧ならタマネギを水にさらしたのの酢漬けもばっちしで、眼の前の海で採れた海のものがどっちゃりはいったパエジャを食べる頃には、部屋が空いてたらとまっちまうべ、と決めておった。
「明日、ミーティングなのに、いいのか?」とモニは訊いたが、わが愛しいひとよ、
仕事なんて、どーでもいーじゃん。
太陽が降り注ぐ凪の地中海が眼の前にあって、(シーズンオフなので)ひとはまばらにしかいなくて、週末なのに部屋がひとつ空いておる。
隙を見てサボらざるは勇なきなり、とむかしの中国人もゆうておる。
愛しいひとよ、あなたは知らぬだろうが、わっしの会社のひとはわっしが行方不明になるのなれてますから。
「あー、いまちょっとガメは、そのへんの熱帯雨林で迷子になってますから」で、これまでもすませてきたのである。
いまさら、ミーティングすっぽかしたくらいでは驚かん。

そーゆーわけで、わっしはLLAFRANCの町に近い、むかしの邸宅を改造したカッチョイイホテルの特等スイートに泊まっちった。
地中海が、どおーんどどどおーんと遠くまで見える丘の上です。
モニの「クルマバッグ」には常に3っかぶんくらいの下着やシャツやなんかがはいっていて、女の子というのは、いったいどーしてこんなに用意周到なんじゃ、と思いますが、
わっしはそんな便利なバッグはもっておらぬ。
とゆーことはそのままだと三日間同じパンツ(^^;)
くっさあー。
でもな、よく観察すると、この部屋のテラス、他のどこからも見えへん。
30平方メートルくらいあって、サンベッドがあって、頭上には夏の地中海の太陽がさんさんと輝いておる。
なはは。
そうであれば、やることは決まっておる。

テラスに立って、やおらシャツもジーンズも「パンツ」も脱ぎ出すわっしを顔をしかめて見つめる吾妻(あがつま)。
ガメ、そーゆー姿はインディーセントだとは思わないか、と英語でゆいます。
おもわないもん、と単純にして明快に応える、わっし。
だってチャンスでっせ。
チン○ンも、まるだしで、寝転がってよろこぶわっしを呆れ果ててモニが見つめておる。
こーゆー野蛮な旦那と結婚したのを儚んでおるのだな。

でもしばらく沈思黙考しておったが、「イエーイ」とゆって、自分も着ていたものをみな投げ出して、素裸でわっしと一緒に寝転がって喜んでおる。
(うつぶせだけどな)
よおーし、それでこそ、我が妻である。

うー。
たまらん。
楽しい。
尻尾を振りたいが、極めて残念なことにわしには尻尾がないので、両足の親指を振って喜びます。
モニがそれを見ておかしいとゆって笑っておる。

下のレストランからテンプラニーニョのすげえカッコイイワインとハモンのクロケタスとアーティチョークをとって破廉恥にも裸のまま間食をするわっし。
うー。うー。
たまらん。
天国である。

それからシエスタ。
汗をかきながら懸命に眠りました。
起きたら茹で蛸のようになっておったが、それがなにほどのことであるか。

地中海沿いには点々と、こーゆー小さな町があって、それがおおげさにいうと、ずうーと遙かギリシャまでつながっておる。
日本のひと。
日本語の、大きな町しか載ってないカッコワルイガイドブックなんか捨てちゃってさ、
フランス語やカタロニア語やスペイン語のガイドブックを買って、そーゆー町を訪ねてゆくのはどうか。
わっしは、こーゆー町へ行くといつもアジア人をただのひとりも見ないのを不思議にも残念にも思います。
どんどん訪ねていったほうがよい、と思う。
それとも、ここまで徹底的に「白い人」しかいないというと、わっしにはわからんが人種差別みたいなことがやっぱりあるのであろうか。
でもさ、人種差別は「白い人」のほうのビョーキなんだから、どーでもいいじゃん。
言わせとけば。
「人種差別」なんかするやつは、するほうがバカで、そんな奴には蚊くらいのノーミソしかないのは、わっしが保証します。
バカな奴のために、自分の行動を規制する必要なんか、これっぽちもないっしょ。
「アジア人、ゴーホーム!」とかぬかすアホがいたら、石を投げてぶつけてやればよい。
その結果アホが大けがをしても、わっしが許す。

気高くも強烈な太陽の母上は中天に輝いておる。
小さな漁船がたくさん海の上に浮いて漁をしてます。
わっしは、さっきまで裸でいるのをいやがっておった奥さんが、羞恥心に打ち勝って静かな寝息を立てておるのを眺めてます。
この宇宙で最も美しいものは女のひとの肉体だというが、それはほんとうにほんとーである。
気が遠くなるくらい美しい。
どんな厳密な美学上の関数も表現できない曲線を描いて磁器のような身体が呼吸につれてたおやかに動く。
うつぶせになった顔に組み合わせた腕の金色の産毛がそよ風に揺らいでます。
ときどき投げ出した足が揺れておる。
どんな夢を見ているのだろう。
わっしも眠るべ。
そうしたら、夢の中でもモニに会えるもんな。

24/March/2009

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